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「社会を支えるITインフラ人材を育てる」日立ヴァンタラ、3度目の四国へ

2026年1月30日

香川大学で開催!ストレージ解体ショーが学生を魅了

 12月某日。国立大学法人香川大学キャンパス内にある情報メディアセンターで学生、教員、職員らの熱い視線を浴びていたのは、ITインフラ構築において重要なデータの記憶装置である「ストレージ」の解体ショーでした。ストレージの構造を分かりやすく伝えるため、日立ヴァンタラの若手エンジニアが参加者の目の前で部品を一つ一つ取り外して、ストレージの内部を解体して紹介したものです。普段は見られない特別な光景に、後方に立っていた学生はつま先立ちするほど釘付けに。ストレージ解体ショーを担当したストレージ設計開発担当の小泉 聡太は「皆さんが興味を持ってくれてうれしかったです。『世界と肩を並べるエンジニアになりたい』と燃えていた学生の頃を思い出しました」と笑みをこぼしました。

 

日立ヴァンタラのストレージ解体に興味津々

 

日立ヴァンタラのストレージ:Hitachi Virtual Storage Platform One 2U Block Appliance


IT企業×ストレージ業界団体×教育機関

 「ストレージワークショップ」と題したイベントは今回で3回目。企業のITインフラ構築に欠かせないストレージの認知を広めようと、2023年度に一般社団法人ストレージネットワーキング・インダストリ・アソシエーション(SNIA)日本支部技術委員会*¹が、日立ヴァンタラなどのIT企業や教育機関とともに立ち上げました。「ストレージ管理者の育成には、座学だけではなく実機に触れることができるような工夫が必要」と企業が大学に出向き、ストレージについての“出前授業”を実施し、次世代のエンジニア育成に貢献する企画がスタートしました。前回までは同じ四国の高知工科大学で行われていましたが、当時の参加者の一つである香川大学の関係者や日立ヴァンタラ、SNIA日本支部技術委員会が話し合った結果、今回の「ストレージワークショップin香川大学」実施が決まりました。学生運営のリーダーとして今夏から準備してきた香川大学大学院 創発科学研究科 修士2年の小林 拓実氏は「前回参加して、とても刺激的でした。大学の後輩にも直接見てもらいたかったので、今回実現できてよかったです」と振り返ります。

*1 ストレージおよび情報管理関連に関する先進的な技術の標準化と教育プログラムを推進するグローバルな非営利団体。


 

日立ヴァンタラ 主管技師長 武田


 

キオクシア 友永 参事


若手エンジニアが奮闘

 当日のプログラムはストレージ解体ショーのほか、冒頭には日立ヴァンタラの主管技師長 武田 貴彦によるストレージの基礎知識についての講義が行われました。「ストレージは24時間稼働が当たり前。日立ヴァンタラは国内で一貫した生産・検査を行い、高品質な製品を届けています」と強調。「(講義では)一度も同じ話をしたことがない」と言うほど進化が早いストレージ業界の現状も伝えました。続いて、今回初参加のキオクシア株式会社からは、SSD事業部SSD応用技術部SSD応用企画担当の友永 和総参事が日立ヴァンタラのストレージと同社との関係やSSD*²の基礎知識、技術進化や最新トレンドを説明、様々な形状のSSD実機サンプルを日立ヴァンタラのストレージと並べて展示し、ワークショップの休憩時間に実際にサンプルに触って形や重さを実感するなど、学生の関心を集めていました。また、日立ヴァンタラのストレージ設計開発を担当する若手エンジニアの岡村 丈夫と宮地 紀年は現地にストレージを搬入、大学環境でも使える設定・構築を体験いただくとともに、その構築した環境でドライブを抜く疑似障害を発生させ、障害時にも業務を中断させない技術力の高さをアピールしました。「あまり実機に触れたことがない学生に向けて、分かりやすく伝えることを意識しました」と岡村。さらに、ストレージを製造する神奈川工場のオンライン見学に加え、IT企業の現場の生の声を聴く社員との座談会では時間オーバーになるなど、盛りだくさんの内容でした。

*2 Solid State Driveの略。従来のハードディスクドライブではなく、半導体メモリを使ってデータを記録する記憶装置のこと。


 

(左から)日立ヴァンタラの若手エンジニア 小泉、宮地、岡村

ストレージをもっと身近に

 昨今、ITスキルを持つ人材の不足が問題視されています。その理由として、少子高齢化やIT需要拡大などが挙げられます。特にITインフラ基盤のストレージは、大量のデータを管理する公共機関や金融機関、近年建設が進むデータセンター、そしてサイバーセキュリティ対策において欠かせない重要な役割を担っています。しかし、一般的に目に触れる機会が少ないため、黒子的な存在となっています。香川大学情報化推進統合拠点情報メディアセンター副センター長で創造工学部の亀井 仁志准教授は「ITインフラ、特にストレージは見たり触れたりすることが難しいため、その分野のエンジニアをめざす学生が少なくなってきています」と指摘した上で、「ワークショップで実機に触れることで、普段学生が大学で学んでいるソフトウェアとのつながりを感じることができます。本当にありがたいです」と感謝の言葉を寄せています。SNIA日本支部技術委員会の江原 寛人氏は「AI需要が高まる中で、エンジニアが年々減っていくことは業界にとって大きな損失になります。アプリの設計や開発を学ぶ学生も、その基盤を支えるストレージなどのインフラ周辺機器について深く知ることで将来の選択肢が増えると思います。だからこそ、このワークショップは意味があります」とメリットを話します。同理事会の副会長を務める友永氏も「データ管理はスマホをはじめとして身近になってきましたが、ストレージやSSDについてさらに興味を持っていただくために、引き続き協力させていただきたいです」と述べました。

 

香川大学 亀井准教授

 

SNIA日本支部技術委員会 江原氏


AI時代を見据えたデータ活用人材育成に取り組む香川大学

 香川大学は、IT人材の育成と輩出に向けた対策を強化しています。デジタル・グリーンなどの成長分野をけん引する高度専門人材の育成を強化する大学などを対象に、国が基金を創設し支援を行う「令和6年度大学・高専機能強化支援事業(高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援)」に採択され、今年度から情報系コースの学生募集を増やすなど、取り組みを進めています。IT企業出身の教員も在籍することから、講演会などを通じた交流を続けているといい、「学生が生の声を聞くことで、将来を考えるきっかけになればうれしいです。AI時代はデータが命となります。データをいかに活用するかを考え、グローバルに活躍する人材を育てていきたいです」と亀井准教授は期待します。実際にIT企業の社員の話を聞いたり、今回のようなワークショップに参加したりすることでITインフラに興味を持ち、就職先の選択肢の一つとして検討する学生が増えたと言います。


 

(左から)香川大学 増田氏、小林氏、山田氏


次世代エンジニア育成に向けた日立ヴァンタラの挑戦

 今回のワークショップには24名の学生が参加しました。事後のアンケートでは、「エンタープライズ向けのストレージ製品という、普段目にしない世界に(物理的に)触れることができ、大変貴重な経験になりました」など、多くのポジティブな声が寄せられました。「ストレージを含むITインフラの重要性と、その認知度には大きなギャップがあります。このような機会を通じて、学生が(ITインフラを)使う側だけではなく、作る側にも興味を持ってほしいです」と武田。入社6年目の宮地も「ストレージは地味に思われていますが、『私たちの存在があるからAIが進化している』と思ってもらえるように頑張ります」と力強く話しました。日立ヴァンタラはこれからも、企業、教育機関、業界団体などの“仲間”とともに、社会の発展に欠かせないITインフラの次世代エンジニア育成に貢献していきます。

■ストレージワークショップに参加した学生のコメント

香川大学大学院 創発科学研究科 修士2年 増田 嶺氏:

 日立ヴァンタラの若手エンジニアの方は製品への理解度が高かったので、教育制度がしっかり整備されているのだと感じました。普段触ることができない実物のストレージの設定・構築を、管理ソフトを使って実施できたので、ハードの視点を養うことができました。

香川大学大学院 創発科学研究科 修士2年 山田 純平氏:

 ストレージは表に出てくることは少なくても、裏でしっかり支えていることを改めて実感しました。座談会では、社員の皆さんの話を直接聞くことで働くことへのイメージがわいたので、大変参考になりました。

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