記事一覧に戻る Unbreakableを体現する日立ヴァンタラの品質DNA | 第4回

日本発の品質で世界中の社会インフラを支える

2026年6月4日

“止めない・失わない” ビジネスを支える品質の舞台裏に迫る〈全4回〉

 AIの急速な普及やDXの進展により、企業におけるデータの価値はこれまでになく高まっています。データ活用が企業の競争力を高める一方、データインフラが停止した際のリスクは計り知れません。日立ヴァンタラは、さまざまな業種のミッションクリティカルシステムを支えるデータインフラを提供しています。日立ヴァンタラのストレージ製品は、国内外で「Unbreakable=壊れない」と称されており、Fortune Global 100企業の86%に採用されるなど、グローバルで高い評価を得ています。ミッションクリティカルな現場から求められる高い品質は、設計・製造から保守・サポートに至るまで、全社に根付く統合的な品質マネジメントによって実現しています。本連載では、日立ヴァンタラの品質保証部門のキーパーソンへのインタビューを通じて、品質を競争優位として磨き上げてきた背景と、決して妥協を許さないその実装のメカニズムを紐解きます。

 連載4回目は、日本で培われた品質を世界へと展開し、データ基盤を支え続ける日立ヴァンタラの姿勢と、品質保証活動への想いを総括してお届けします。

企業文化を含めた「日本の品質」を世界へ

  日立ヴァンタラの品質へのコミットメントは、製品がお客さまのデータセンターに納品された後も決して途切れることはありません。世界中で稼働するシステムを監視し、万一のトラブル発生時にも、最前線でお客さまのビジネス継続を支えます。品質保証本部 本部長 中森 学は、「品質は、システムやツールではなく、結局のところ人が支えているのです」と話します。

 日立ヴァンタラでは全社員のうち10%以上が品質保証本部に在籍しています。これは一般的なメーカーと比べて、際立って厚みがあります。「これだけの人数が品質部門に居るからこそ、製品の企画・開発段階から、製造、そして出荷後のサポートに至るまで、製品ライフサイクルのすべてにおいて一貫して品質に責任を持つ体制が可能になるのです」(中森)

 


品質保証本部 本部長

中森 学

技術的エビデンスでお客さまに直接向き合う品質対応

 システムインフラの世界において、日立ヴァンタラの品質保証部門が持つ最大の特長があります。それは、「困難な問題に対処する際には、品質保証部門の担当者が自ら直接お客さまをサポートする」という姿勢です。一般に、トラブルが発生した際の窓口は営業担当者や専任のサポート部門が担います。品質を司る部門や開発部門の担当者はあくまで裏方で、お客さまと話をする機会はほとんどありません。

 しかし、日立ヴァンタラは違います。

 万一、お客さまの環境で重大な障害が発生した際には、品質保証部門の責任者や技術者が自ら現場へと足を運びます。営業やサポートに任せきりにするのではなく、製品の品質に最終責任を持つ者として、直接ご説明にあがるのです。システムトラブルに直面した際、お客さまの情報システム部門が最も不安と不信感を抱くのは、「なぜ問題が起きたのかわからないまま、とりあえず復旧した」というブラックボックス化された対応です。日立ヴァンタラでは、高度な検証技術を用いて精緻な根本原因分析(RCA)を実施し、「なぜ起きたのか」、「どうすれば再発しないのか」という技術的なエビデンスとともに、お客さまに直接説明します。「自分たちの手で生み出した製品には、最後まで責任を持つ。その覚悟があるからこそ、逃げずにお客さまの前に立ちます。この姿勢と透明性の高い説明が、結果的にお客さまへの真の安心感と深い信頼に繋がると確信しています」(中森)

 

24時間×365日世界規模の稼働監視と予防保守

 もちろん、トラブルを起こさないためのプロセスも整備しています。そのために日立ヴァンタラが注力しているのが、「止めない運用」を実現するための高度な稼働監視体制です。現在、世界中のお客さまの環境で稼働している数万台規模のストレージと、それらに搭載された数百万台規模のドライブの稼働状況を、ネットワークを通じて24時間365日モニタリングしています。「私たちが監視しているのはハードウェアやソフトウェアが正常に動いているかどうかの稼働データ=テレメトリです。お客さまが保存しているデータの中身は見られません。セキュリティとプライバシーを完全に担保した上で、部品単位での詳細な状態を常に把握しています」(中森)

 この常時モニタリングにより、特定の部品のエラーレートが規定のしきい値を超えた場合など、障害の予兆をいち早く検知することができます。そして、システムが実際に停止してしまう前に、計画的に保守作業を行い、部品を予防交換するプロアクティブな保守を世界規模で実行できるようになります。

 

最高の品質をグローバルに展開

 日立ヴァンタラは、グローバルにビジネスを展開しています。日本国内で培ってきた高い品質基準や過酷なテストの仕組みは、米国の工場にも横展開され、世界のどこでも同等の品質で製品を提供できる仕組みを整えています。さらに、サポート体制においても日米欧の主要3拠点が連携し、地球の自転に合わせてサポート業務を引き継ぐ「Follow the Sun(太陽を追いかける)」体制で、24時間×365日、途切れない体制で全世界のお客さまをサポートし続けることができます。

 海外のお客さまに対しては、現地のサポートチームがフロントに立つことがほとんどです。しかし、日本の品質保証部門と設計・開発部門は常に彼らを背後で支え、密に連携したサポートを提供できるようにしています。「海外で起きた難解なトラブルであっても、現地のチームに任せきりにはしません。日本の品質保証部門と設計部門がログを解析し、原因究明と対策をリアルタイムに現地へフィードバックしています。そのため、海外のサポートチームと原因究明のミーティングを行う機会も多いです。ただ、日本側が相手に合わせた時間にするため、夜中や早朝の会議になることもありますが、迅速な支援のために柔軟に対応しています」(中森)

 この密なコミュニケーションには、技術的な支援以上の意味があります。「やはり、品質に対する意識や徹底力は、海外のメンバーと日本に温度差はあるようです。現地チームが“システムが直ったからクローズして良いだろう”と考えても、私たちは“いや、真の原因が特定できるまで終わらせない”と食い下がります。日立ヴァンタラとして、日本で長年培ってきた品質への姿勢を、日々のやり取りを通じて共有し、グローバル全体での品質レベルをさらに高めていきたいと考えています。」(中森)

 

データインフラの未来を支える、持続的な品質イノベーション

 「品質保証部門」と聞くと、出来上がった製品を検査し、決められた基準に沿ってチェックリストを埋め、時には開発部門に「ダメ出し」をするだけの保守的な部署を想像するかもしれない。しかし、日立ヴァンタラで働く担当者たちの姿は、それとは全く異なります。

 品質保証本部 開発品質保証部部長 森永 広介は、「日立ヴァンタラの品質保証部門は、製品品質を高めるために、開発部門や他組織と組織を超えて協働します。単に完成品を評価するだけでなく、課題を共有し、より良い設計や実装に向けて議論を重ね、伴走しながら最高の製品を作り上げるパートナーなのです」と話します。

 そのスタンスは、社内にとどまらず、社外のバリューチェーン全体をも巻き込みます。梅澤は、次のように話しています。「私たちにとって、部品はただ買うだけのものではありません。その部品がどのような工場で、どう作られているかまで深く把握し、サプライヤー様とも一緒に良いものを作っていく。万が一品質に問題が生じれば、設計から製造、調達まで、すべての工程・現場にすぐ駆けつけます。現場・現物にこだわり抜くこと。それが品質を担保する一番の近道だからです」

 出荷された製品は、お客さまの現場で稼働します。品質保証本部 本部長 中森 学は、「製品は出荷したら終わりではありません。そこからお客さまのビジネスの稼働を守り抜くことが我々の使命です。品質へのこだわりは日立のDNAそのもの。決められたルールを守るだけでなく、より良くするために自らプロアクティブにアクションを起こす。そして、自分たちの手から出たものには最後まで責任を持ち、万が一の際でも逃げることなく、お客さまの現場で事態が完全にクローズするまで見届けます」と話します。

 妥協なき設計、過酷なテスト、現場への介入、そして根本原因まで向き合うサポート。これらすべての品質活動を統括する最高品質責任者(CQO)岡木 拓也は、品質保証部門の使命について、以下のように話しています。「品質への妥協を決して許さないアンカー=錨になること。それが私たちの役割です。製品出荷において、最後の判断を下すのは品質保証部門です。ダメなものはダメだ、と毅然として立っているからこそ、設計部門や製造部門も厳しい意見を真摯に受け止め、会社全体として品質にこだわり続けることができます。日立ヴァンタラの品質は、私たち品質保証部門が守り抜く。その重い責任と誇りを胸に、日々の業務に取り組んでいます」

 現代社会において、データは企業の命綱であり、社会を動かす血脈でもあります。AIの活用が急速に進み、ITインフラの重要性がかつてないほど増しているいま、システムが停止すれば、その影響は計り知れません。日立ヴァンタラのストレージシステムが世界中で「Unbreakable=壊れない」と称賛される理由は、高度な技術力や堅牢なアーキテクチャーの根底に、品質保証部門の担当者1人ひとりの「確実にデータを守り、お客さまのビジネスを止めない」という熱い信念にあるのかもしれません。社会から信頼され続ける存在として、日立ヴァンタラはこれからも、終わりなき品質革新に挑み、世界中の社会システムを力強く支えていきます。